労務リスクは「入りと出」が危険信号?!

企業発展と労務リスクの関係

会社は原則的に未来永劫存続することを前提として活動していくものです。会計原則上の継続企業の公準(ゴーイング・コンサーン)がその根拠となっていますが、言い換えれば、継続して発展していくのが会社の使命ともいえます。

ゴーイング・コンサーンは本来は企業会計上の概念ですが、継続・発展していくと当然ながらヒト(雇用)を増やしたり、モノ(原材料・製品・商品)を増産したりするため、あらゆる企業の要素に関わる概念であるともいえるでしょう。特に会社が大きくなれば人手が不足してくるので、良質な人材を確保していかなければなりません。

その際、会社は求人募集をして必要な人材を求めるのですが、募集・採用時にトラブルが発生するケースが実に多いのです。同様に従業員が会社を退職するときにも、もめ事がよく起こりやすいのが実情です。採用と退職、つまりヒトの出入りのときに問題発生というリスクが起きやすいのです。

経営者は指揮官

これを航空機の離発着のリスクになぞらえると奇妙な符合を見出すことができます。航空機の出入りともいうべき離着陸時は、最も事故のリスクが高いと言われていて、離着陸時の事故が飛行行程全体の事故に占める割合は約8割という統計があるそうです。

もっとも労務管理と航空機管制を一緒にするのはやや強引かもしれません。ただ会社の経営者は、労務管理を含めあらゆる経営活動全体を指揮監督する指揮官としての重責を担っているわけですから、この観点からすると航空機の運行状況全体を監視する管制塔に例えられるのではないでしょうか。しかも労務リスクの方は出入りだけでなく雇用している間も実に多く発生しているのです。

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