⑦障害年金受給申請の代行
年金の給付実務は、社労士にとっては一丁目一番地ともいえる基本業務なのですが、その中で障害年金受給というのはやや特殊なものであります。
障害年金には等級というのがあって、障害の重さによって国民年金(基礎年金)は1級から2級、厚生年金は1級から3級まで分かれています。
3級よりも2級、2級よりも1級の方が状態が重く、受給できる金額も高くなります。
申請のための流れの中で、医師への日常生活の報告書や診断書、役所への就労状況の申立書等を提出するのですが、それら書類の書き方次第では、2級に該当するはずのところが3級に認定されたり、3級に該当するべきところを3級より軽いと認定されて障害年金自体がもらえなくなってしまう事例が実に多いのが現状なのです。
もちろん認定に不服があれば申立てはできますが、ほとんどの方は泣き寝入りしてしまうと言われています。ある統計資料によれば本来もらえるはずの障害年金をまったく受給していない人が全国で30万人近くいるそうです。
障害で苦しんでいる方のことを思うと、こういう現実があることに憤りを覚えると同時に我々年金の専門家として強い使命感を感じずにいられません。
診断書や就労状況申立書の書き方にも実はコツがあり、ポイントを押さえた手続を進めることで本来の等級を認定してもらい、年金を受給してもらうというのが、この申請代行の目的です。
⑧交通事故の際の労災申請
会社の従業員が社有車あるいはマイカーで通勤または業務中に交通事故に遭った場合、労災で申請するべきか、それとも自賠責や自動車保険等、民間の損害保険会社の保険を使うべきか、中々判断に迷うところです。
私たち社労士でも「え!どうだっけ」となってしまうのがこの交通事故の時の処理です。
業務または通勤時での事故で傷害に該当するのであれば労災として申請することが優先されるはずなのですが、労基署では自賠責を使うように指導されます。
一方保険会社は、労災で処理してほしいというのが自然な考え方ですね。
交通事故はその事故の種類や状況によって補償の順序が変わってくるのですが、それ以上に労基署や保険会社との調整の仕方にもコツがあるのです。
ここでの肝は、被害者にとって最も補償額が大きくなるのはどの方法かということなので、そこを軸に手続の流れを考えていくというのが社労士の仕事になります。
これらの他にも様々な業務があるのですが、特に社会性があり、重要と思われるものをピックアップしてみました。